日別アーカイブ: 2020年7月9日

第9回アンティーク検定試験が行われました

7/5(日)に第9回アンティーク検定試験が行われました。今回はコロナ禍の中、会場試験ではなく初のオンライン試験となりました。

オンラインということで躊躇した方もいらっしゃった一方、主に地方在住者にとってはわざわざ東京まで行かなくても自宅で受験できるというメリットもあったのでしょうか、最終的に受験志願者数は過去最高となりました。この数には、今年に限り大学生・大学院生の受験料の無料措置による恩恵もあったかと思いますが、これまでは大学生の受験者は数校で見られましたが、今年は二桁に上る数のさまざまな大学の学生がトライする結果となりました。

オンラインと紙ではどのくらい受験時の思考に差が出るのか、といったことは多くの研究機関がまさに研究段階にあるようですが、ざっと結果を見た限りでは、合格基準点に達する比率などは通常年とあまり変わらないようでした。論述のみの1級で大きな差が出るかとも思いましたが、逆にこちらでは普段紙に文章を書く習慣が薄れているためか、パソコン入力により誤字なども減り、結果としてはプラスに働いたように思えます。

いずれにしても、受験者側も初めての試みで過去に例のない中、今回出願し受験されたモチベーション、向学心を高く評価したいと思います。

結果につきましては8月以降、順次お送りしていきます。
本試験は学校の成績のような相対評価ではなく、絶対評価です。今回の試験で多くの受験者が合格していることを祈っています。

また来年2021年はアンティーク検定試験・第10回を迎え、検定のあり方を大きく見直すプロジェクトが進行中です。そもそもこの試験は、知識を詰め込んで記憶することを目的にしてはいません。そうはいっても正しい知識がないままモノを見ることもできませんので、3級・2級は主に正しい知識をインプットして、西洋装飾美術の世界を体系的に理解するという基本を身につけ、1級ではすでに得た知識をどうアウトプットしてモノを見ていくか、というベクトルでモノの見方を身につけていく方針に変わりはありません。

どのような形式になるかは外部の有識者などの意見も取り入れ、来年早々には発表したいと思っています。また本検定試験の合格者に対し、認定をより公式なものにするためのステップも進行中です。

尚、2級までは試験ではなく講習でも取得できます。第6回アンティーク検定講習は、緊急事態宣言などが発令されていない限り、今秋人数を制限した上で実施の予定です。詳細は近々発表いたします。