三寒四温とはよく言ったもので、昨日までは春の陽気だった天気が一転して冬に逆戻って来たこの週末、土曜日はAEAOサロン倶楽部が開催されました。学習院大学史料館が霞会館記念学習院ミュージアムとして昨日リニューアルオープン、本サロン倶楽部で早速特別展のギャラリートークに参加しました。


まずは目白駅から学習院とは逆側に少し歩いたところにある「パニエ・ド・レギューム」という小さなフレンチレストランにてミニレクチャー&ランチ懇親会。11時半のオープン時には予約者が待機していて、あっという間に埋まってしまうだけあって家庭的ながらも素敵なお店でアペリティフ&コース料理を。




この辺りには徳川ビレッジという庭付きの大きな邸宅が建ち並ぶ界隈があるのですが、今日はいつもの街散策はスルーして、学習院大学・正門へ。昨日オープンしたばかりの機関なので念のため守衛さんにお尋ねすると「沢山の方がもう行かれてますよ」と道案内をしてくださいました。
ミュージアムと書かれた建物、はて、新たに建てたのかと一瞬錯覚してしまいましたが、かつての大学図書館が博物館施設としてリノベーションされたものでした。しかも建築はモダニズム建築の先駆者と言われる前川國男の設計、学習院大学には「前川國男建築」と言われる建物が数棟まだ残っているのだそうです。

最も古い大学博物館とされるのはイギリス・オクスフォード大学で1683年に作られたアシュモンレアン博物館とされており、これは当時流行していたヴンダーカマー(驚異の部屋)が起源と言われていますが、日本の大学博物館というのは実に多種多彩にわたっています。中でも学習院大学はその性質上、公家・大名・華族・幕臣の史料などを豊富に所蔵しており、かつての学習院大学史料館は1975年(昭和50年)に発足しています。
オープン2日目の今日のギャラリートークは研究員・森谷さんによる解説で、なぜこれだけの建物内に展示室がこれだけしかないのか、「パトロネージュ」という言葉にはどういう意味が込められているのか、今回の展示品の中で、用途不明だったとあるものの正体について、なんと現在の天皇が皇太子時代に解明されたのだとか、実に興味深いお話をいただきました。また以前のAEAOサロン倶楽部でもご解説いただいた長佐古美奈子学芸員より、展示室の真正面に展示されているローブ・モンタントに関する佐賀錦のお話とその技法についても詳しくお話をしていただきました。






特別展示室は撮影禁止ですが、常設展示の方は撮影も可能でした。学習院の歴史を辿っていくと、そのまま日本の近代史が浮かび上がってくる、そんな展示でした。


かつての学習院大学史料館であったこの建物も、登録有形文化財ですからちゃんと残っています。
今日は雲行きも怪しく若干寒々しかったですが、もうすぐ開花しそうな気配ですね!