AEAOサロン倶楽部・10月の会は戸栗美術館へ

10月のAEAOサロン倶楽部は、現在戸栗美術館で開催されている「古伊万里西方見聞録展」の鑑賞会を行いました。開館35周年記念特別展です。

このサロンは受付開始日にすでに満席となりましたが、レストラン側が席を増やせるということで、当初募集の倍近くにまで人数が集まりました。

まずは松濤で、フルコースのランチ。食べるのに夢中で写真を撮り忘れておりますが、前菜+スープ+パスタ+メイン+デザートにドリンク付のお腹いっぱいコースを松濤Marさんで。

そして豪奢な建物の立ち並ぶ松濤地区を散歩しながら、戸栗美術館へ。

風情あるお庭も美しく整えられていて、ロビーから鑑賞できます。

Eテレ日曜美術館「アートシーン」にご出演の学芸員・小西さんから、今回の展覧会の概要や見どころをご紹介していただきました。

西方とはもちろんヨーロッパ、彼らはこれまで景徳鎮から磁器を輸入していましたが、明末清初の中国混乱期には上陸できませんでした。それで近くに日本があり、有田で磁器を生産しているではないかということで伊万里焼の海外輸出がスタートするのは17世紀半ばのこと、オランダの東インド会社によりアムステルダムへ、そしてそこからヨーロッパ各地へと有田の磁器が広まり、あっという間に人気となります。

実用品や装飾品などがやがて受注生産体制となり、ヨーロッパの人の生活様式に合わせた磁器が作られるように。そのせいかとても江戸時代にこんな器形を作っていたとは思えない、西洋風のものが多く海外にあるのです。またヨーロッパ各国の王侯貴族に愛された柿右衛門様式は、やがてヨーロッパで磁器の製法が可能になるとこのモチーフが真似られることになっていくのですね。

Eテレのアートシーンでも紹介されていましたが、全くそっくりの絵柄の八角皿、伊万里のものとマイセンのものが並んで展示されていました。人物の顔つきが伊万里のものは和風、マイセンのものは西洋風なのも本当に興味深い発見でした。

この美術館は、信念をもって「作品を貸さない・借りない」美術館運営をされており、従ってすべての所蔵品は門外不出、ここに足を運ばないと見られないものばかりです。

前回2020年3月に訪れたときはなんと雪景色でしたが、今日は最後の夏日ともいうべく、晴天に恵まれた1日でした。ご参加のみなさま、お疲れ様でした。楽しかったですね!