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アンティーク家具ディーラーと修復家によるギャラリートークと邸宅でのおもてなし

今日のAEAOサロン倶楽部は、水郷潮来への遠足でした。この地にアンティーク・ショールームを開いているHope Antiquesのオーナー、永峯さんによるおもてなしサロンです。

通勤ラッシュも一段落した朝10時、東京駅より高速バスに乗車、80分で1駅目の水郷潮来バスターミナルへ到着します。こちらにお迎えにいただき、Hope Antiques邸へ。

この館はオーナー自らが設計に参画し、細部までこだわり抜いて建てた屋敷とあって、扉が開いた瞬間にみなさん歓声!そう、ヨーロッパのどこかのお城に迷い込んだのかしらと思わせる内部装飾です。玄関入ってすぐの幅広のコンソールテーブルは元々フランスのお城にあったものだそう。

到着早々舞い上がってあちこち写真を撮りたくなる屋敷でソワソワしてしまいますが、プログラムでは家具レクチャーからスタート。レクチャールームにて、みなさん自己紹介をし合った後、永峯さんの感性にピッタリ来たというルイ15世様式家具について、協会代表よりフランスの家具様式を俯瞰しながら学びます。この時代は貴族の私的な社交の場であるサロン文化の黄金期、家具も優雅、繊細、女性的、軽やかなものへと移っていきます。

フランスのロココ家具には面白い名前が付いています。「王妃の椅子」「公爵夫人」「一日の幸せ」…家具になぜこのような名称がついているのか、当時の宮廷生活と絡み合わせて紐解いていきます。

18世紀半ばの貴族生活を垣間見た後は、オーナーによるおもてなしランチ。レストランではない、ご自宅でのおもてなしは取り立ての旬の筍料理を中心に、お刺身を除いてはすべて手作りで食材もお庭で採れたものが多く、どれもこれも美味しい!グルメなご参加者の舌をもすっかり満足させたようです。

美味しいお食事とお喋りに花が咲いたところで、午後のレクチャーは、アンティーク家具にはなくてはならない修復家、向島さん(EIMOKU代表)による修復レクチャーです。

実例としてよくある依頼の代表格、椅子の張り替えについて、具体的な修復方法を教えていただきました。EIMOKUさんならではの、「木と対話する」という哲学について語っていただき、それがアンティーク家具修復にどのようにつながるのか、実に深いお話でした。100年前の職人さんが右利きだったか左利きだったかまで骨組みをバラしていくと分かるのだそうです。

「神の手」向島さんのお話を聞いた後は、Hope Antiquesの店内ツアー、日本ではまず見ることのできないサイズのアーモワールも、この邸宅なら最初からここにあったかのよう。建築と室内装飾、家具のバランスの大切さが良くわかりますね。

美しい家具に囲まれ、あれもこれもと目移りしながらオーナーの永峯さんや修復家の向島さんの丁寧な解説を聞いた後は、ティータイム。さきほど頂いたランチから時間も経っていなくてお腹いっぱいなのですが、愛らしい和菓子は別腹!?

このまま地震で帰れなくなってここに泊まりたい!なんて不謹慎なことまで思いつくくらい居心地のよい邸宅ですが、そろそろお暇する時間に。最後にみなさんで記念写真を撮ったところで永峯さんよりなんと水郷潮来の名産という佃煮を全員にお土産に頂いてしまいました。

何から何までのおもてなしに一同感激、水郷潮来バスターミナルまで送迎いただき、東京駅への高速バス(この時間帯はガラガラ)で帰途に着きました。

Hope Antiquesオーナーの永峯さん、EIMOKU代表の向島さん、この度は本当に有難うございました。また今回のこのイベントのために愛知県からご参加された方もいて、初めての方々ともお会いできて楽しく充実した(そして美味しい!)一日でした。

北関東への遠足 Vol.2

<館林編>

6月の最終週に、今度は館林在住のアンティーク・スペシャリストSさんのお招きで群馬県立館林美術館にて開催中の「鹿島茂コレクション フランスのモダングラフィック展」へ。

館林へは浅草や北千住から東武線の特急「りょうもう」に乗れば、こちらも1時間弱で着きます。本数もそれなりにあるので、もはや通勤圏内!?ところでこの電車にあるように、館林にはカルピスの工場があるのです。工場見学は大人気でなかなか予約が取れないのだそう。

駅に到着したらSさんが改札でお迎えくださり、駅の近くにあるオススメの花山うどんさんへ。定規のような太さのうどん、鬼ひも川うどんが有名なところです。ラザニアのうどんバージョンのようないでたちで、箸でつまむのにも若干の腕力・腕の力が必要です!

貝柱などの海鮮天ぷら付きの鬼ひも川うどんをいただいてすっかりお腹も一杯になったところで、群馬県立館林美術館へ。建築家・高橋靗一氏のこの建物、水面に浮かび上がる島がイメージされているとのことですが、本当に広大な自然に心が安らぎます。

展覧会はこちらも会期終了に近づいていましたが、幸い混み合っていることもなく、膨大なコレクション数にもかかわらずゆっくりと鑑賞できました。AEAOサロン倶楽部でもかつて日比谷図書文化館にて開催された「鹿島茂コレクション2『稀書探訪』の旅」見学を行ったことがありましたが、紙ものを見るのは集中力を必要としますので、鑑賞における空間スペースは大事です。この展覧会場は天井も高く壁もホワイトで、キャプション量は多くあり全てを理解しながら見進めるのは厳しいものの、アイテムもさまざまなので気分を変えながら鑑賞することができました。

Sさんはすでに4回通われているとのこと、会期中の展示替えもありますし、本当に全てを目に焼き付け、理解するには複数回の見学が必要な展覧会です。鬼ひも川うどんで胃が、そして本展で脳がキャパいっぱいになりました。

別館「彫刻家のアトリエ」は、フランソワ・ポンポンのアトリエが再現されています。この館林美術館ではポンポンの作品を67点も所蔵しているのですが、その理由が館のテーマ「自然の人間との関わり」を探求する上で有意義な作家として注目しているということでした。ポンポンは動物をモチーフとした作品で知られており、その生涯で人物像よりも動物彫刻を多く生み出し、従来、人物像よりも格下とされてきた動物彫刻に光を当てた作家です。

ブルゴーニュ(ポンポンの生誕地)の農家風なこのアトリエも、青空の元でその魅力を映し出してくれます…が、なにせ暑い!この辺りは日本一の高温記録となる場所ですから、涼みましょう、と「エミール、水辺のワッフルカフェ」へ。全面ガラス張りで視界には永遠に続くと思われる緑、カフェ内は快適温度、名物のワッフルの季節限定版をいただきました。

秋には「ロイヤル コペンハーゲンと北欧デザインの煌めき アール・ヌーヴォーからモダンへ」展が開催されますので、またこれに合わせてAEAOサロン倶楽部で訪れてもよいかな、と考えています。

そうそう、館林には正田醤油の本社があります。正田記念館(登録有形文化財)もあり、上皇后美智子様にゆかりのある土地なのですね。日清製粉グループの製粉ミュージアムも駅前にありました。

帰りもSさんに館林駅まで送っていただき、至れり尽くせりな館林の遠足、本当に有難うございました。

北関東への遠足 Vol.1

6月も今日でおしまい、すでに真夏のような気温の日が続いています。

今月は、本協会のメンバーの方々のお招きで、水戸&笠間と館林にそれぞれお邪魔してきましたので、その様子をレポートしたいと思います。

<水戸・笠間篇>

まずは6月3週目に訪れた水戸。東京からは特急「ひたち」や「ときわ」に乗れば1時間10~20分程度で駅に着きます。駅にお迎えにいただき、そのまま車で茨城県近代美術館へ向かい、現在開催中の「アーツ・アンド・クラフツとデザイン」展の鑑賞です。入場券購入時に「何でもよいのでお花や動物の柄のものをお持ちでしたら割引がございますよ」というので、日傘の柄やハンカチの柄までOKという寛容さ、なんと全員割引が適用されました!

ウィリアム・モリスからフランク・ロイド・ライトまでと副題のあるこの展覧会、テキスタイルに壁紙から家具工芸品、そしてジュエリーまでと多分野に渡っての作品の展示で見応えがあります。この規模の展覧会を東京で行っていたら、こんなにゆったりしたスペースでは見られないでしょうし、会期が終わりに近づくと混み合い、繊細なジュエリーや金銀細工をショーケースに顔を近づけてじーっと鑑賞することなどできません。こういうのは本当に地方の美術館の有難いところです。

常設展も含め、建物の空間構成も素晴らしい美術館でした。

その後は車で笠間に向かいます。以前、当協会の遠足で笠間日動美術館と春風萬里荘(旧北大路魯山人邸)を訪れましたが、さすがに時間がなくて訪問できなかった茨城県陶芸美術館で「ティーカップ・メリーゴーラウンド」展が開催中ということで、こちらを訪ねる…前に、お蕎麦屋さんでランチをいただきました。美味しいお蕎麦屋さんでした。

私たちはメリーゴーランド、と呼んでいますが正確にはMerry-Go-Roundなのですね。19世紀半ばから20世紀半ばまでの約100年間に焦点を当て、ティーカップやコーヒーカップが各国の名窯ごとに紹介されています。アフタヌーン・ティ文化の流行している現在、こうしたアンティークのカップをその窯の特徴や歴史と共に俯瞰していく、楽しい展覧会でした。図録はすでに完売、でもどうやらこの後巡回で東京にも来るようですので、その時に買えるかな!?

途中で学校の生徒たちが集団で入ってきてがやがやしている瞬間があったのですが、この展覧会はそもそもが「楽しく会話をしながら」鑑賞することを推奨していたのです、これも東京なら監視員がすっ飛んできて注意されそうな場面ですが、穏やか、のんびり、ゆるふわ。

登り窯も設置されています。

併設されている陶芸ショップでは、現代陶芸家の作品も販売されていました。

そして水戸と言えば、の偕楽園へお連れ頂きました。この日、東京では34℃、この水戸でも32℃という表示でしたのでこんな暑い日にお庭の散歩が果たしてできるかしらと思いきや、森林や竹林の気温の緩和効果を身をもって体験しました。全く暑くないのです!

桜やつつじの季節には人出も多いようですが、そうでない時期は人もまばら、好文亭もゆっくり見学でき、風薫る中でのティータイムは至福の時間。

今回のお招き、訪問地からお店の選定まで完璧な遠足をオーガナイズいただいたW様ご夫妻、本当に有難うございました。

遠足:佐倉のアート&アンティーク

今日は、昨年10月に企画をして延期をしていたAEAOサロン倶楽部「さようならDIC川村、佐倉のアート&アンティーク」を遂に決行いたしました!

募集と同時に満席になった会でしたが、DIC川村記念美術館が休館になるというショッキングなニュースで来館者が爆増し、当初予定をしていた頃は「東京駅からの高速バスに乗れない可能性大」、「館内のレストランは10時に到着して名前を書いて、15時に案内された」等と混乱の様子がSNSでも報じられ、またもう一つの訪問先である佐倉マナーハウスのティールームも英国展の出店と重なっていてアフタヌーンティを人数分提供できない、とマイナス要因が重なり延期をしていました。

その後、DIC川村記念美術館の休館の日程が延長されたこともあって若干緩和してきた様子、また今後の方針も決まり4月1日より休館、所蔵品は1/4程度に縮小、「ダウンサイズ&リロケーション」で東京都内に移転することなどが発表され、いよいよ今行かなくてはもう行けない、となってきたところ、当協会アンティーク・スペシャリストの青山櫻さん(ヴィオレッタ・アンティークス代表)が車を出してくれるということになり、リベンジで催行することに致しました。

朝09:55発の東京駅からの高速バスは、30分前にバス停に着いても噂通りすごい列、幸い今回のご参加者は全員乗車できました。道路状況で予定より15分ほど遅れて美術館へ到着、1時間余りで一通りすべての展示ルームを鑑賞できました。この美術館の目玉でもあるロスコルーム、やはりこの場所でこそこれらの作品が輝いています。20世紀美術の代表格であるシュル・レアリスムの作品の数々、ジャクソン・ポロック、サム・フランシス、フランク・ステラ…珠玉の名作揃いです。

幸いお天気もよく太陽が顔を出しており、美しい庭園も堪能できました。ここからは櫻号で佐倉マナーハウスへ向かう途中のレストランでランチです。

AEAOサロン倶楽部では、みなさんで楽しく美味しいものをいただくというのにもエネルギーを注いでいるのですが、今回見つけた佐倉市内のレストラン「レ・ガーレ」、勘でここはイケそうだ、と決めたのですが、これが大当たりでした!なんと野菜市場に併設されていて、朝採れたての野菜を販売し、その野菜を使ってのイタリア料理。ごぼうのポタージュ、バーニャ・カウダ、パスタ、デザート、ドリンクというコースで頂きました。みなさん満足していただけたようで、よかったです!

そして待望の佐倉マナーハウスへ。高台にあるのですが、石畳を上がっていくと「ここは本当に日本?イギリスの田舎の森に迷い込んだのでは?」と思わせる建物に、広いお庭。それもそのはず、建築資材はすべてイギリスからの輸入材で建てられたのだそうです。アンティーク・ショップの中にサンルームがあり、ここがティールームとなっています。ここでお紅茶、スコーン、エリザベスケーキ、コーヒークリームケーキなどイギリス色たっぷりのお茶とお菓子をいただきながら、ゆっくりと店内のアンティーク雑貨も物色、幸い1月の平日だけあってティールームも空いていて、ゆっくりとお茶を愉しむことができました。今回のご参加者さんは奇しくもイギリスに住んでいた経験がある方々で、懐かしい思い出も蘇ってきたようです。

夕日が眩しくも美しい中を後にし、下界(!)へ降り、櫻号で最寄り駅・勝田台まで。帰りは始発の東葉勝田台駅からゆっくり座って都内へ戻りました。

元々のご参加予定者で今回予定が合わなかった方、申し訳ありません。DIC川村記念美術館は3月末日で休館になってしまいますので、ぜひ休館前に訪れてみて下さいね。青山さん、今回はお世話になりました。有難うございました。

神戸での国内研修旅行・2日目

2日目の朝、ホテルでの朝食は各自自由に。老舗の京料理『たん熊 北店』の和定食と、なんと11月18日にリニューアルされたばかりという豪華な朝食ビュッフェ、迷いますね。ランチがフレンチのコースなので、和定食を選んだ人が多かったようです。

2日目の朝活(自由参加)は、ホテルからすぐの場所にある竹中大工道具館。誰もが知っている竹中工務店ですが、大工道具の博物館というのは日本で唯一だそうで、伝統のものづくりが見直されている今、きっと面白いに違いない、とオープンと同時に駆け付けました。まずは建物の木の香りにほっこり、ゆったりした館内は木と大工道具の展示が続き、特に知識がなくても楽しめます。常設展以外に開館40周年記念企画展の「日光の彩色と金工」展が開催されていました。

ホテルに戻ってチェックアウト後は、歩いて北野異人館街へ。お天気もポカポカな上に坂もあって、汗がかけるほど。数ある館の中で、コロニアル様式の英国館、そして装飾性の高い(過剰な?)美術品を展示しているというプラトン装飾美術館(イタリア館)の2館を訪問。英国館にはシャーロック・ホームズの部屋も再現されていました。プラトン装飾美術館にはワインカーブや様式庭園にプールまで。

この北野異人館の風物詩ともなっている風見鶏の館 は耐震改装工事中で内部には入れませんでしたが、外観を見ることはできました。

ランチはこの界隈に佇む、花と緑に囲まれた一軒家レストラン「パラディ・北野」さんでのフレンチ・コース料理を。元スイスの貿易商社社長の居宅がそのままレストランに改装されたということで、建物は天井の高い贅沢な造りでした。お料理も新鮮な野菜をたっぷり使った前菜のテリーヌ、淡路島直送の玉葱のポタージュスープ、メイン(鯛のパイ包み焼き、または牛ホホ肉の赤ワインソース煮込み)、デザートと量もたっぷり。

食べたら消化!と、最後の目的地は神戸布引ハーブ園、約10分のロープウェイで頂上まで。クリスマス・マーケット「古城のクリスマス2024」が開催されているというのでこの時期は特別料金でしたが、ハーブ園の山頂から心地よい風に吹かれながら山々と神戸の街並みを一望、また香りの資料館でなども楽しめました。

日が暮れたらイルミネーションが点灯し幻想的な「古城のクリスマス」の雰囲気になるのでしょうが、そこまで待つのは諦めて、早めにロープウェイで麓まで降り、そしてホテルで預け荷物をピックアップ。ここで解散とし、そのまま新神戸から山陽新幹線で戻る方、大阪へ出る方などに分かれて終了となりました。

2日間、たっぷり食べ、歩き、笑い、そして学び、と参加者一同仲良く楽しく過ごした研修旅行でした。ご参加いただいたみなさま、お疲れ様でした。