AEAOサロン倶楽部」カテゴリーアーカイブ

大盛り上がりの読書会

第2回の読書会が終わり、次回はいよいよ第1部のハイライト、盛期ルネサンスへ入ります。盛期ルネサンスは楽しみにしている人も多いせいでしょうか、申込者も16名になりました。みなさん感想や質問なども活発に出ていますし、「そういえば昔、これを見たんだったわ」と後から記憶が蘇ってくる方もいらっしゃって、やはりオンライン上でもアート追求への力は大きいと感じます。

第1回、第2回と古代、中世、初期ルネサンスと駆け巡ってきました。

今回特にみなさんの興味を惹きつけているのが、ユニコーンのタピスリー。現在ではパリ・カルティエ・ラタンにある国立中世美術館に所蔵・展示されています。このタピスリーが発見されたのは、19世紀のロマン主義全盛時代。ロマン主義の人たちが中世LOVEだったのは知られていますが、このタピスリーを発見したジョルジュ・サンド、当時の歴史記念物監督官であったプロスペール・メリメの功績が如何に芸術の保護に貢献してきたか、あらためて思い知らされます。

音声フランス語、字幕英語ではありますが、この連作タピスリーがどこで見つかったのか、こちらの映像で詳しく説明されています。

それではいよいよ今週は第3回、盛期ルネサンスですね。ご参加のみなさま、どうぞお楽しみに!

読書会「ぜんぶわかる西洋美術史と、さらにわかる絵画で読み解く装飾品」がスタート!

半年ぶりに再開しましたAEAOサロン倶楽部、今秋は読書会という形で年内までオンラインにて行われることになり、昨日第1回がスタートしました。10名程度でと思っていましたところ、はるかに超える人数の方々がお集まりいただき、好調な再開となりました。

AEAOサロン倶楽部は、従来月1回有志で集まり、会食や喫茶と共にレクチャーを行い、時にはそのテーマに応じて美術館や建造物を見学しながら懇親し、楽しんでいました。でもコロナ禍で最も避けなくてはならない要素であるおしゃべりと会食が入っていますので、このご時世に無理して行って万が一のことがあったら・・・と思うとなかなか踏み出せません。4月の『アンティークの祝祭』鑑賞に伴うアフタヌーン・ティの会もまだペンディング中です。

そのような中ではありますが、読書会は各自が同じ本を手元に置いて、内容を紐解きながら理解し合っていくもの、これはオンラインでもなんとかできるのではないかと思い企画をしましたところ、思いがけぬ多くの方々からのご参加をいただきました。ありがたい限りです。

タイトルに「全部わかる」「さらにわかる」と思いっきり豪語していますが、西洋美術史というのはすべての美術品・工芸品・装飾品を理解する要のルーツです。単にこの時代には〜主義が流行ってooという画家がxxという作品を描いた・・・というものではなく、その時代時代の生活様式、宗教観、世界観、価値観、社会の様式や変遷などがすべて影響し合って生まれてくる美意識のストーリーなのです。

アンティーク検定でも2級以上で「西洋美術史」が必須となりますが、たとえ海外研修に参加してもこの「西洋美術史」だけは免除になりません。これだけは自分の力で理解しなくてはならない最後の砦です。

幸い西洋美術史を学ぶための書籍などは日本語でも多く出版されており、また昨今では展覧会もいろいろな時代・分野の作品で開かれていますので、たとえ学校で専門的に美術史を学んでいなくとも、1冊の通史を読んだり展覧会を鑑賞したりしていれば、ある程度の流れは理解できるようになります。とはいえなかなか孤独なプロセスですし、せっかくなら仲間で集まって、美術史をこの際古代からゆっくりゆっくり紐解いていきましょう、ということで、1年半、全15回かけて行う予定でプログラムを組んでみました。そしてどうせなら、絵画に描かれている装飾品などもいろいろ調べてみて、美術史と装飾美術史を並列して理解してみましょうよ、ということになり、「全部わかる」「さらにわかる」という意気込みだけはすごいタイトルが生まれてしまいました。

初回は古代〜国際ゴシックまで。まだまだルネサンスには行き届きません。「語れるようになる西洋絵画のみかた」では序章になる時代で、たった6ページの分量です。それでもその後ルネサンスが生まれる要因となるすべてが詰まっています。文明の発祥であるメソポタミア、エジプトからギリシア美術、ローマ美術、ビザンティン美術、ロマネスク様式、ゴシック様式、国際ゴシック、タピスリー、装飾写本・・・一気にこの辺りを読み解いていき、その後のチャット・コミュニケーションタイムでは「なぜ、裸?」「壁画ってただの壁?」「なぜタピスリーを壁にかけたの?」「なぜこんなに色鮮やかな色彩なの?」・・・と実に多くの質問や感想が出て、オンラインでもこうして楽しく対話ができる文明の時代がやってきたのだなぁ、とあらためて実感できました。

ご参加いただいた方、有難うございます。消化しきれなかった宿題は第2回に、次回は10/17(土)に開催されます。1回ごとでのご参加も可能ですので、興味のある方はこちらよりお申込みください。

マイセン ・セーヴルの源流の古伊万里を訪ねて

多くの文化イベントが自粛要請を受けてバタバタと中止になる中、3月のAEAOサロン倶楽部もどうすべきか色々協議を重ねてきましたが、できることをできる人だけでやろう、ということになり、希望者だけで可能な限りの対策をした上で、予定通り開催されました。

平年より12日も早い歴史的な桜の開花宣言がされたこの日は、皮肉にも前日の春のような暖かさとは打って変わっての寒い一日。朝から東京の気温はどんどん下り、午後には冷たい雨は霙になり、やがて雪。そんな中ですが、参加者のみなさんの向学心と好奇心、そして楽しく生きるための食欲は健在です!

ランチ・レクチャーは渋谷界隈でありながら、中心地の喧騒とは無縁のやや離れた場所にあるレストランにて行われました。

乾杯のドリンク、前菜、リングイーネのパスタ、メイン料理、デザート、と美食を堪能しつつ、中には久しぶりに外に出てきたという人もいたのか、みなさん話に花が咲きます。

その後は専門家の方を交えてのレクチャーです。古伊万里について初期伊万里から江戸全期を通してどのように器形や文様、顔料が変化していったのか、その変化の社会的背景には何があったのか、輸出伊万里はどのような経緯で製作され輸出されるに至ったのか、伊万里に見られる江戸の美意識とは・・・。

マイセン、セーヴルのみならず多くのヨーロッパの名窯が憧れて模倣した伊万里様式。そのオリジナルの「美」の真髄を知ることにより、なぜ西洋の陶磁器窯がどこもこぞって取り入れたがったのか、そのルーツがわかりかけてきました。

伊万里様式はいまでも海外のアンティークマーケットでは人気の品、またオリジナルの古伊万里は日本でも骨董市場で目にする機会が多いかと思いますが、まずは体系的に学び、そして数ある中でも一流品を目にすることから目利への第一歩が始まります。

4月よりスタートするこの展覧会、ぜひ訪れたいものですね。コロナウイルスの影響が落ち着いて、一刻も早く文化施設が再開されますように。

灯りについての歴史〜AEAOサロン倶楽部・2月の会〜

AEAOサロン倶楽部・2月の会は「室内装飾における灯の美学」と題し、ヨーロッパにおける灯りの歴史を学びました。

イネス・ウージェル著『魅惑のアンティーク照明―ヨーロッパあかりの歴史』の翻訳者、中山久美子先生(協会認定アンティーク・スペシャリスト)をお迎えし、灯火具の歴史、燭台の種類、電気の照明とクリエーターたち、の3部構成で大変内容の濃いレクチャーをいただきました。

日本では灯りの器具がヨーロッパほど発達しなかったのか、たとえば燭台の種類にはフランス語で随分と多くの言葉があるのですが、日本語に訳すとすべて「燭台」となってしまう、やはり言葉が多くある国ではそれだけその文化が発展していた証拠だという中山先生のお話に、頷くばかりです。ロウソクを1本立てる器具と複数立てる器具で名前が異なるのですが、日本語で「ロウソク立て」以外に訳しようがないですね。英語でもキャンドルスティックとキャンドルスタンド位になってしまいますが、フランス語では非常に多くの語彙が存在しているのは、やはりそれだけ装飾品としても区別していた証でしょう。

寒く暗い冬の夜、室内で炎がゆらぐ情景は美しいものでしょうが、現代ではさすがにセキュリティの面からもキャンドルを使うことは少なくなってしまいました。でもその代わりに、多くの室内装飾家がデザイン性に長けたテーブルランプやフロアスタンド、シャンデリア、ブラケット灯を生み出し、灯りも建築や家具との調和を意識したものへとなっていきます。

アンティークの燭台は、キャンドルを敢えて灯さずに装飾品としての使い道もあり、いつの時代でも「ルイ15性様式」なるロココデザインが燭台の世界で愛され続けているのも納得です。

次回4月のサロンは、こういったアンティークの燭台を始めとする多くのアンティーク品が登場する映画『アンティークの祝祭』の試写鑑賞会を行います。どうぞご参加くださいね。

1月のサロン「サラ・ベルナール最後の巡回地、松濤にてベル・エポックを偲ぶ」

3連休最後の成人の日、AEAOサロン倶楽部・1月の会を開催いたしました。
 
「ところで、サラ・ベルナールって誰?」
 
日本でも演劇やフランス文化に詳しくない人たちには、その名を知られているとは言えない100年前の女優、サラ・ベルナール。
 
2018年秋より日本全国を巡回中の「サラ・ベルナールの世界展」も、いよいよ最後の巡回地である松濤美術館にて、残すところあと半月となりました。空前の繁栄をしていたとされるフランスの19世紀後半〜第一次大戦までの「ベル・エポック期」のミューズとして生きたサラ・ベルナールにまつわるアイテム(写真、ポスター、舞台衣装、宝飾品、絵画)を見ながら、今一度この時代を振り返ってみました。


  
サラ・ベルナールはもちろん女優としての第一人者でしたが、実は彼女は画家でもあり彫刻家でもありました。特に彫刻作品はサロンにも入選するほどの出来栄えで、今回の展覧会でもサラの彫刻作品が展示されていますが、ロダンが嫉妬したのも納得するほどの見事なもの。


 
ミュシャ、ラリックといった天才アーティストたちを惹きつける魅力はどこになったのか、彼女の生き様とその時代、女性が1人で生きていくためには洗濯女かお針子さんか娼婦になるかしかなかった、そんな時代に芸術を庇護し、芸術を愛し芸術に愛され、社会を牽引していった1人の女優の生涯を、本展日本側監修者・岡部昌幸先生の解説でお話いただきました。