「ショワズール公爵の嗅ぎ煙草入れ」タグアーカイブ

読書会「名画のインテリア」、18世紀の優雅なる生活

アカデメイア・読書会「名画のインテリア」第3回は、18世紀の最もエレガンスに満ちた時代のアイテムを小栁由紀子先生にご説明いただきました。

ブドワール、ポーランド風寝台と18世紀の貴族の女性の生活を垣間見たところで、嗅ぎ煙草入れの中でも最高峰とされるショワズール公爵の嗅ぎ煙草入れが登場!

ルイ15世様式の黄金期をそのまま閉じ込めたタイムカプセルのようなもので、箱の6面すべてを眺めていくと、当時の最高権力者の実際の私生活、部屋のインテリア、18世紀フランス宮廷の洗練された文化、贅を尽くしたライフスタイルが浮かび上がる美術コレクションそのものです。

2023年にルーヴル美術館が購入したことで大きな話題となったこの嗅ぎ煙草入れは18世紀フランスの装飾美術における金細工と細密画が融合した最高傑作の一つと称され、この手のひらサイズの小さなアイテムの購入価格はなんと390万ユーロ(当時のレートで6億円くらい)。そのためルーヴル美術館は「Tous Mécènes!(みんながパトロン!)」という大規模なクラウドファンディングキャンペーンを実施して一般寄付金も集めながら、ルーヴル友の会や大口の企業・個人パトロンらの寄付も得て何とか調達したのでした。

ルーヴル美術館は相変わらずモナ・リザ前がごった返していますが、このショワズール公爵の嗅ぎ煙草入れは、装飾美術品におけるモナ・リザに匹敵するもの!でもこれを見に行くのは限られたアンティーク愛好家でしょうか。ただこの細密画は、羊皮紙(ヴェラム)にグワッシュで描かれているため、極めて繊細なもの。それゆえ光による劣化を防ぐため常設展示とは限らないようです。

この時代のアイテムはゆっくりと優雅に眺めたいもの…というわけで、3回シリーズでは語り切れず、第二弾を実施することになりました。2027年にあらためて第二弾・読書会を行いますので、どうぞお楽しみに!