研修2日目、ルーアンへのエクスカーション

研修2日目、今日は日帰りルーアンへの旅です。
フランス陶磁の世界でルーアンは非常に重要な製陶地であり、陶磁博物館は外せませんが、他にもモネが連作を描いたルーアン大聖堂、ステンドグラスで有名なジャンヌ=ダルク教会、大時計台・・・ノルマンディの建築も含め、見どころたくさんの魅力溢れる街です。

案内役は昨日の講義の講師、アリーヌ・ジョスラン=コナン。今日のルーアンへの遠足のために、昨日もかなりの時間をルーアン・ファイアンスの説明に割いてくださいました。

今日は全員参加ではなく有志のみの参加としたところ、男性陣は不参加となり、結果「女子会」に。陶磁博物館は午後しか開館しないため、午前は『ブラアリーヌ』。興味深い建築の前で立ち止まっては写真を撮り、面白そうなお店があれば入り、と楽しく散策、圧巻のルーアン大聖堂を見学した後は、ルーアンの古陶磁を扱うギャラリーのプライベート見学。父親の代からルーアン古陶磁を扱う高級ギャラリーのクリスティーヌ・メタが、惜しげも無く作品を触らせてくださいました。

当協会でいつも意識して行っていること、それは「市場の価値を知る」ことです。美術的価値を学ぶと同時に、さてそれはいくらなの?という市場価値を語ることは、日本では研究者はまずしないし、純粋な工芸品に対してお金のことを語るのはよくないこと、というイメージがあります。

ところがヨーロッパの専門家は最終的に評価額を査定するわけで、査定ができて初めて鑑定士と呼ばれます。クリスティーヌ・メタも古陶磁のオークションでは鑑定を担っている専門家。染付のルーアンの大皿2枚を比較して、それぞれの値段と、その値段の違いはどこから来るのか、を非常に詳しく説明してくださいます。

ランチは、ルーアンに唯一存在する5星ホテル内ブラスリーでの美食。ルネサンス時代からある屋敷が紆余曲折を経て、今世紀初頭には某銀行となっていましたが、それが数年前より5星ホテルにリニューアル。外部は「ルネサンスの建物」、内部は「モダンスタイル」の客室やレストラン、SPAとコントラストが見事なホテル。バーの床からは地下のプールが見えるというデザインです!

食後はマルシェで売っていたハート形のチーズ、ヌシャテルをみんなで買い込んだり、ジャンヌ=ダルクの涙のチョコレートと称されるアーモンドチョコレートを買いにショコラティエへ寄ったりしつつ、ようやくメイン見学地の陶磁博物館へ。

ファイアンスの作り方から、ベルナール・パリシーの世界を経て、いよいよルーアン・ファイアンスの部屋へ。真似っこしていた中国磁器やデルフトも同時に展示されており、よく見ないと(よく見ても)どちらがどちらかわからないものも。

ゆるく予定を立てたエクスカーション、途中のショコラティエやらチーズ屋さんやらのショッピングで現行品のルーアン陶磁器のショップへは寄れずでしたが、とても楽しく充実した遠足でした。