2017年秋 パリ&ヴェルサイユ海外研修 第2日目

 今日は比較的ゆっくりのスタートです。よく海外旅行のツアーに参加されると、朝6時半朝食、8時出発といった強行スケジュールが多いのですが(効率よく沢山の見学地が詰め込まれていて、それはそれで有意義だと思いますが)、私たちの研修は、あくまでも中身のみをプログラミングしており、自由時間はそれぞれ好きなことをして滞在できます。朝ジョギングをしてもよし(さすがにいなかったですが)、買い物をしてもよし(フランスではスーパーは日本より早く、9時にはオープンします)、朝寝坊をしてもよし(主催者の特権!?)・・・。
 

 午前は11時にオープンの銀食器ギャラリーにて、実施でのレクチャーを行いました。パリでも有名な銀食器専門店Isabelle Turquinの店内にて、18世紀の銀食器の中でも、レアなものをいくつか見せてもらいます。まず、ここが銀食器専門店だと外から見てもわかりません。それもそのはず、このギャラリーは元ファーマシーだったところをギャラリーにしているのですが、看板や内装の一部はファーマシー時代のものをそのまま継承しているのです。
 
 

 これは、何に使うものかわかりますか?の恒例のクイズ、なかなか食器だけ見ても想像がつきません。そう、フランスの食卓史、テーブルアート史を学んでいないとわからないものがたくさんあります。例えば、これはナツメグを潰すものですよ、と言われ、はてナツメグはどんな料理にどのようにいつから使われていたのか?そう、総合的な知識がないと、なかなかわからないものが多いのですが、そんなお話もすべて解説してもらいます。
 

 

 
 19世紀の半ば以降、クリストフル社により爆発的にシルバープレートの銀食器が量産された中で、18世紀のスターリングシルバーの品々は貴重です。その中でも、状態のよい、名工の工芸品を多く有しているのが、このギャラリー。お値段も・・・ちょっと、さすがにというものでもありますが。
 

 銀食器カトラリーに関して言えば、やはり揃っていてこそ価値のあるもの。最低でも6組、普通は12組などで販売されていますが、さすがにそんなに買えないし、要らないし・・・と思っていたら、「これはバラでしかないから、お安いのだけどね」と言って、バラの箱を見せてくれました。研修生のみなさん、むしろそれなら!といくつかお買い上げ。研修生価格(?)で、少し割り引いてもらえました。
 

 陶磁器、銀器、とくれば、次はガラスですね、というわけで午後はバカラ美術館へ。
 

 パリ16区と言えば、結構知られた富裕層地域ですが、その16区の中にも細かい序列があり、バカラ美術館のあるPlace des Etas-Unisといえば、最高級地区です。
 

 この瀟洒な邸宅は、20世紀の社交界の女王と言われた、故ド・ノアイユ子爵夫人の暮らした建物で、フランスの名門貴族の館、というわけです。子爵夫人亡き後は別の富豪の手に渡って、バカラ社はこの建物をいわば借りていることになるのですが、現在の持ち主は、すぐ隣に住んでいて、毎日窓からこの建物を眺めているのだとか。
 

 ここはバカラ本社であり、バカラのショップであり、レストラン「クリスタル・ルーム」を運営しており、そして美術館でもある総合施設です。最近所蔵したニューコレクションが展示されているというので、ワクワクしながら訪ねました。
 

 美術館ゾーンは残念ながら写真撮影は禁止ですが、美術館へと登る階段には、800kgの重さのシャンデリアが。19世紀中頃に作られたもので、当時はもちろんキャンドルで照らされていたのです。
 

 

 

 

 そして美術館の中は・・・・ここからは、ぜひパリに行かれる方は、館を訪れてみてください!
 

 3日目に続きます。