アカデメイア、今期シリーズ「マンガでわかる西洋絵画の見かた 聖書編」いよいよ最終回!

15回にわたって1冊の本を専門家に解説してもらいながら読み解いていく読書会、ようやく最終回を迎えました。西洋絵画の中でも、見る際に背景がわかっていないとなかなか理解できない宗教画でどうも日本人としては苦手な分野なのですが、おかげさまで画家の描くテーマの内容に少しだけ近づけた気がします。

最終回は、今更ですが「キリスト像」、聖書にイエスの容姿の記述はないのですが、それを歴代の画家たちはどのように描いてきたのかの作例を見せていただきます。ところで数年前に話題になった、レオナルドの作品とされる「サルヴァトール・ムンディ」、これを今後どこかで見られる日は来るのでしょうか。

そして、見ていて一番ほっこりする「聖母子」。実は聖母マリアがテーマとして描かれるようになったのは中世の後期から。授乳の聖母、花園の聖母といったテーマが有名ですね。

その他「聖家族」「聖会話」「三位一体」「ピエタ」など、いくつかの有名なテーマについての作品も見ていきます。「無原罪の御宿り」に関連して、不思議のメダイ(奇跡のメダイ)の図像に関しても、どのような言葉が刻まれているのか、その背景などについてあらためて学びました。

〆は「天国」と「地獄」。ヒエロニスム・ボスの2作品を比べてみると、地獄もワンダーランドとして楽しそうですが、やはり清々しい天国へ行きたいものですね!

受講者さんのお一人より、このようなメッセージをいただきました。

❝長い道のりを、お疲れ様でございました。漠然としていたキリスト教というものが、かなり具体的に理解できるようなってきたような気がします。これからも絵画や本や映画の中に発見して、楽しめることと思います。ありがとうございました。(A.O.様)❞

中山久美子先生、長い長い15回コースの解説、本当にありがとうございました。

「六本木でガレとパリ」AEAOサロン倶楽部2月の会

今日は六本木・東京ミッドタウンにてAEAOサロン倶楽部を開催しました。2月15日からサントリー美術館で開催している「エミール・ガレ 憧憬のパリ」展の鑑賞会です。話題の展覧会は、混まないうちに会期の早めに訪れておくというのが鉄則ですね!

まずはランチを兼ねたプレ・レクチャーです。今回は運よく個室の取れたシャンパンビストロ『orangé』にて12時から2時間、コース料理を頂きながら行いました。パリ万博の意義、ガレとパリの関係、パリの社交界と関わることと引き換えの精神的重圧、それがどのように作品に表れていくのかといったお話と共に、前菜からデザートまでしっかりと腹ごしらえ、結構お腹いっぱいになってしまいましたね。

このビストロは路面店なのですが、地下鉄の駅から直結で東京ミッドタウンに来ようとすると意外とスルーしてしまうロケーションで、「よく来ているのに、このお店は知らなかった!」という方も。

強風ながらも晴れている青空の下、東京ミッドタウンのガレリア館に移動し、3Fのサントリー美術館へ。事前予約をしていたQRコードでスムーズに入場、会場は2フロアに跨っています。本展覧会は、午前の静寂タイム(10 :00-11 :00)以外は写真撮影も可能です。

展示はほぼガレの制作年ごとに進んでいき、ガレの作風と社会情勢の変化や新技術の習得、新しい時代に向けての大胆な発想と心境の変化、と、単に万博での受賞によるものだけではないガレの制作人生が感じ取れるように構成されています。そのため、陶器とガラスの展示も同列になっており、素材は異なれど表現したかった心が見えてくる気がします。

サントリー美術館は、諏訪の北澤美術館と並んでガレの「ひとよ茸」ランプを所蔵していうことで有名ですが(もちろんエピローグの出口の前にありました!)、今回は所蔵品だけでなく、パリ装飾美術館(MAD)からの作品もかなりの数が出品されていました。

みなさんで一緒に回ったわけではないのですが、それぞれのペースでそれぞれお気に入りの配分で作品を鑑賞すると大体同じ時間に出口で落ち合うという結果に。そして「ちょうどよい作品数だった」とこれまた同一の感想になりました。超絶技巧の工芸品の鑑賞というのは、意外とエネルギーを費やすのです。三次元をあらゆる方向から見て、感じて、記憶に残す、という作業をしていると脳細胞も消費するというので、さきほどのフルコースランチの消化にもほどよい脳と身体の運動になったような気がします。

いつもの「ナンシーとガレ」とはちょっと異なった視点での「パリとガレ」の会でした。

アンティーク談話とアランデュカスのレストランにて食事会

今日は3月の海外研修「プロヴァンスとリヴィエラのアンティークを巡る旅」の関連イベントをユーラシア旅行社さんに開催していただきました。

食事会の前に、アンティーク談話。集合はレストランの近くのワイン専門店のお店が経営するセミナー会場、普段はワインセミナーなどに使われているのでしょう、とても素敵な空間です。

今日の談話は、研修旅行で訪れるムスティエ陶器、そしてヴァロリス陶器についての歴史や特徴、テーブルウェアの変遷とベル・エポック期の装飾様式、そしてその時代に創設されたモンテカルロのオテル・ド・パリ、レーニエ3世が若いアランデュカスに「4年以内に3星を取るよう」依頼し、33ヶ月で見事3星を勝ち取ったルイ・キャーンズに関するお話を1時間ちょっとで駆け巡りました。

研修にご参加予定の方々以外にも、アンティークの世界が初めてでイベントに興味を持ったという方、かつて色々な国に住んでいて80カ国は訪れたという旅のベテランの方、食器のコレクションをされていて半世紀近く前にフランスに住んでいたという方等々、はじめましての方も交えて楽しく懇親しながらの座学講座を経て、すぐ近くのアランデュカスのレストラン「ブノワ」へ移動します。

「ブノワ」は、2005年にオープンしたアランデュカスのビストロで、南仏の邸宅を彷彿させてくれます。ちょうど私たちの訪問地ムスティエ=サント=マリーにもデュカスのオーベルジュがあるのですが(今回の日程ではまだ冬季休業中、4月の中旬にオープン)、その雰囲気を東京・青山で味わえるというわけです。

名物「エッフェル塔」の模型は、実際に1889年のパリ万博に向けてのコンペで出されたマケットの1つでオリジナルなのだそう。ところどころに演出されている装飾小物品はすべてフランスから蚤の市などでデュカス自身がセレクションしたアンティークとあって、もうすでに南仏に上陸した気分です。

今回は素敵な半個室を取っていただき、和やかな雰囲気でお料理を堪能することができました。食レポは文章にするとその魅力が返って損なわれそうですので、是非ご自身の舌でお確かめいただきたいと思います。ちなみに過去にブノワで食べたことがある方も含め、みなさん大満足のご様子でした。

ワインとお料理のマリアージュも、さすがのブノワさんのセレクション、しかもワインの入手方法のような舞台裏のお話までサービスでしていただき、今回はスパークリング、白ワイン、赤ワイン、とドリンクもフルコースにて(スパークリングワイン:ブルゴーニュ地方、シャルドネ100% / 白ワイン:アルザス地方、フルーティな味わい、桃や青リンゴのような香り / 赤ワイン:ボルドー地方、メルロー7割・カベルネ3割、果実味しっかり、渋み少なめ)

ショコラのデザートに焼菓子まで美味しくいただき、10階からの景色も十分に堪能できた楽しい会でした。ご参加者の中でプロ級のスケッチをされる方がいて、なんとお食事をしながらこんな素敵な作品を仕上げていただいたのです!

旅の満足度は天候とお料理で決まると言いますが、このようなイベントでも同じ、美味しいお料理で満たされた2月のひとときでした。ご参加いただいたみなさま、今日はどうもありがとうございました。

草間さんから元気をもらった日

2025年最初のAEAOサロン倶楽部は、「草間さんから元気をもらおう!」と題して2017年に新宿区弁天町にオープンした草間彌生美術館を訪れる会でした。

まずはいつものように美味しいものを頂くことで元気になるお食事処に集合、今回は当協会としては珍しいのですが、神楽坂のメインストリートである早稲田通り(この辺りは神楽坂通りとも呼ばれているようです)から1本中に入った隠れ家的レトロモダンな日本邸宅の『和らく』さんにて。

公式ページには《牛込神楽坂の路地裏に佇む昭和の会員制クラブを改装した一軒家にて、フレンチ出身のシェフと和食の料理人が手仕込む旬の和洋コラボ料理と日本酒を気軽に楽しめる和食店》とあります。私たちの会にピッタリなイメージを感じて予約をしたのですが、今回も嬉しい「大当たり」でした。店内はすべて畳で靴を脱ぐのですが、階段も廊下も畳、やさしい雰囲気です。「おばあちゃんの家に来たみたいで懐かしいわね」としんみり昭和を愉しむ私たち。

お料理は贅沢にも個室にて、白木箱に盛り込んだ旬の彩味を楽しむお弁当を頂きました。どのお料理も目にも舌にも美味しく、普段はなかなか一人前を食べきれない年齢となってしまった方も全員が完食、デザートのプリンまでトロトロの美味しさでした。

このお店のある白銀町から美術館のある弁天町まで少し距離を歩くのですが、散策が楽しいお店があちこちに点在している界隈です。まずはヴィンテージの可愛らしい雑貨のお店に入り、そして赤城神社に寄ってお参りをし、人気のパン屋さん、お菓子屋さん、隈研吾建築の元ラカグの建物で現在はAKOMEYA TOKYOが営業をしているスペースなどを冷やかしながら、弁天町へ。

草間彌生美術館は日時指定の完全予約・定員制です。窓口でチケットは購入できず、また入場時間の30分前までしか予約できないシステムのため、当日混み合うこともなくスムーズに入場できます。

今回の展覧会は「私は死を乗り越えて生きてゆきたい」、戦争の影響を受けた1940~50年代の絵画から現代までの多様な作品の展示を通して草間さんの死生観に触れていきます。

この館では1階から順に上がって鑑賞していくのですが、3階までは写真撮影不可のため写真は撮れませんでしたが、入口すぐのインスタレーション『生命』にまずは圧倒されてしまいます。

4階にはビデオプロジェクション、草間さんが「自殺未遂常習犯の歌」を歌っている様子が映されています。十八番のミラールームで、永遠に続くかと思われる空間、誰もが異次元の世界に迷い込んだような気分になりますね。

そして屋上には大きな南瓜が!2024年の制作、新作でした。今日は天井から青空が、ガラス窓からは太陽の光が入り込んでいて心地よい空間。天候によっては閉鎖されるスペースということですので、これもみなさんの日頃の行いがよいのか(!)、今日は雲一つない青空の下に南瓜がどーん、と居座っていて、新宿の街が見下ろせて、何とも言えない空間です。

最後に1階に降りてお手洗いに行ったところ…お手洗いまでミラールームになっていて、なんだか落ち着かない空間でどこまでも草間彌生の世界が散りばめられていたのでした。

鑑賞者の多くは外国人で、みなさんミュージアムショップで草間ドット缶のゴーフルやシガールを沢山買い込んでいました。草間彌生は世界に誇る日本のアーティストですから、よいお土産ですよね、そういえば私たちもロンドンのV&Aでウィリアム・モリスのクッキー缶を沢山買い込んだことを思い出しました。

「死を乗り越えて生きてゆきたい」展で草間さんから元気をもらった1月の最終日でした。今年も色々乗り越えて生きていきましょう!!

フランス大使館にて「プロヴァンスとリヴィエラのアンティークを巡る旅」研修説明会

今日は、今年3月に予定されている公式海外研修「プロヴァンスとリヴィエラのアンティークを巡る旅」の説明会をフランス大使館にて行いました。フランス観光開発機構(Atout France)様と、旅行部分をお願いしている株式会社ユーラシア旅行社様が共催でこの説明会を開催してくださり、30名ほどの方にお越しいただきました。

場所は大使館の中で最も広い会場を使わせていただき、始まるまでの間、会場から直接テラスに出てお庭を眺められる恩恵にもあずかりました。

フランス観光開発機構の在日代表 ジャン=クリストフ・アラン氏よりいただいたご挨拶の言葉の中に、「現在の駐日フランス大使夫人は修復家としてルーヴル美術館の作品などを扱ったこともあるという芸術分野に造形の深い方で、我々の活動とのご縁を感じる」と仰っていただき、よい雰囲気の中でスタート、当協会代表より協会の活動、過去の海外研修の紹介をさせていただき、今回のプロヴァンスとリヴィエラの研修につき訪問予定地のお話などを致しました。

続いて株式会社ユーラシア旅行社の担当者様より、旅行のロジスティックに関するご説明、最後にフランス観光開発機構の金田様よりプロヴァンス=アルプ=コートダジュール地域圏の歴史や魅力について、様々なエピソードと共にお話頂きました。

ブルゴーニュやボルドーではなく、なんとニースにもワイナリーがあるというお話。Château de Crématというお城があり、シャネルがこのお城に施されたCCというロゴを気に入って、自分の香水のデザインのロゴに使う許可をもらったというワイナリー、エピソードも含め実に魅力的ですね。

ニースで食事をするなら、是非伝統的な料理法を守っているレストランを試してみて下さい、とそのラベルについてのご紹介もいただき、ニースに3泊し、自由時間もたっぷりある滞在中の過ごし方について色々とアドバイスを頂きました。

この度はフランス観光開発機構様、株式会社ユーラシア旅行社様、そして寒い季節にも関わらずわざわざお越しいただいた皆様、有難うござました。