今日は、今季のアカデメイア「アンティーク鑑定士のエキスパートになる!」の実地講座で、オークションの下見見学会を行いました。4~5月はサザビーズやクリスティーズのオークションの出品物についてのdescriptionを紐解いていくオンライン講座でしたが、6月は実際のオークション出品物を目の前で手に取って見ていきます。平日の昼間にもかかわらず、今回は富山、長野、茨城からも参加者が集結、まずはお昼前のカフェにてサンドイッチなどをつまみながらのミニレクチャーです。
オークションの成り立ち、歴史、世界の三大オークション、日本における伝統的なオークション、日本の公開オークションシステム、ちょっと特殊なオークション用語などについて一通り学び、そして今回のオークション出品物について、記載の用語の意味なども理解して、いよいよオークション下見会会場へ向かいます。
今回は日本における売上ベースで最大シェアを保つ毎日オークションの西洋装飾美術の下見会にお邪魔させていただきます。年に数回開催される同社の西洋装飾美術オークション、毎回数百点もの出品物が並び、その規模も最大ながら分野も多岐に及んでいます。大物は家具、シャンデリア、ランプ、ステンドグラス、オルゴール、絨毯、もちろん陶磁器、銀器、ガラス類も普段ではなかなかお目にかかれないものが展示、下見会の目的は作品のコンディション・チェックですので特別に記載がある品以外は基本触ってみることができます。またオークション会社のスタッフさんも会場内にいらっしゃるので、詳しく知りたい出品物については更なる情報を得ることもできます。差支えのない範囲で色々教えてくださいます。



成り行き以外の出品物には予想落札価格が出ていますので、これもある指標になります。同じようなものなのに、なぜこれは安めの評価なんだろう、と思ってよくよく見るとキズがあったり、人気のないモチーフだったり、数が出回っているものだったり…マーケットですから必ず値段には理由がある、そう思ってみていくのも興味深いです。
このミュージックチェア、マーケトリー部分に音楽のモチーフはないし、楽器を演奏する椅子にしてはどうかなあ、と思って尋ねたところ、これは座面の中がオルゴールになっていて、人が座るとその重みで音楽が鳴る仕掛けのものだそうです。初めて見せていただきました。


他にも日本ではあまりお目にかかることのないアール・ヌーヴォー期の作家のパート・ド・ヴェールの作品、北欧アーティストの家具など、勉強も兼ねてたっぷり鑑賞させていただきました。
今回オークションにトライしてみようかな、という方は早速受付で手続きをされ、またネットでも出来ますので翌日のLIVE BIDで挑戦しようという方など、みなさんさまざまな思いが交錯した、楽しいひとときでした。
7月より新アカデメイアがスタートします。
「紅茶とアフタヌーン・ティーにまつわる英国の歴史とアンティーク」、6月15日よりお申込み開始です。こちらもよろしくお願いいたします。