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「スペシャリストが語るアンティーク・ジュエリーの魅力」講座がスタート!

今月より、アンティーク・ジュエリーの新アカデメイアがスタートしました。当協会の認定スペシャリスト(アンティーク検定1級を取得後、アンティーク・スペシャリスト講習会を受講している方々)の中にジュエリー専門家がお二人いらっしゃるのですが、この度そのお二人にジュエリーを歴史と鑑別の両視点から交互に紐解いていただくという講座です。

第1回は、横浜にてアンティークショップを経営し、アンティーク・ジュエリーの欧州からの仕入れや販売を通して豊富な知識をお持ちの青山先生による「失われたルーヴルの宝石」と題し、2025年10月にルーヴル美術館で盗まれた宝石を1つ1つ解説していただきます。

現在も高校生のデモが発端となり、フランス全土が暴動に巻き込まれているフランスですが、その首都パリのルーヴル美術館、アポロンのギャラリーに窓から侵入されてたった7分で宝石をごそっと略奪されたその宝石たち、実はフランスの歴史の象徴でもあるのです。

当協会のコロナ明け最初の海外研修のオプションで、このルーヴルのアポロン・ギャラリーを訪れました。その時はまさかこの宝石が3年後に盗まれて、この部屋から宝石の展示がなくなるなんて思ってもいなかったのです。

ショッキングなこの画像は、略奪犯がうっかり「落として」回収せずに逃亡したため、このような無惨な形となってしまったウジェニー皇后の王冠です。幸い修復可能だということで、現在ルーヴル美術館とカルティエやショーメなどの名門ジュエラーの協力で修復プロジェクトが進められています。

1855年、宝石商アレクサンドル・ガブリエル・ルモニエにより制作されたこの王冠は、第1回パリ万博のための作品、このパリ万博はナポレオン3世とウジェニー皇后のお披露目を兼ねたイベントでした。彼らは戴冠式を行なっていないため、戴冠式用の王冠ではないものの、第二帝政の象徴とされた歴史的な宝飾品です。

他にも興味深いジュエリーとしては、聖遺物容器型のブローチでしょうか。これもウジェニー皇后のものでした。王室御用達の宝飾店バプストによって王冠と同じ年の1855年に制作されたものです。この中に、ルイ14世に由来する伝説的なマザラン・ダイヤモンドが含まれていると言われています。マザラン・ダイヤモンドについては翌月またダイヤモンドのところで詳しくお話ししていただきましょう。

さて、このような歴史の象徴とされたジュエリーですが、フランスという国は常にこうして素晴らしい芸術品を制作しては破壊し、を繰り返しているところです。現在のヴェルサイユ宮殿も中に入るとゴージャスな家具調度品にうっとりしますが、これらは革命時にすべて略奪され破壊され、空っぽになった後にまたフランス国家が同時代の同類のものを探し出して買い戻したもので埋められているのです。もうフランスという国のDNAになっているのでしょうか、いずれにしても宝石の行方は気になるところですね。もしかしたらもう秘密裏に見つかってどこかで保護されているのかもしれません。

来月は鑑別の専門家・目黒先生よりダイヤモンド、サファイアをニュートラルに、科学的視点から見る講座が行われます。乞うご期待!